お知らせ

2019年12月24日
家族信託業務研修会を開催しました。

12月4日(水)金沢市ものづくり会館において、2部構成の家族信託業務研修会が開催され、52名の会員が参加しました。

第1部では、向 智大会員と石川金沢相続サポートセンター 司法書士 藤井 雄介先生から「家族信託の活用」について、家族信託の概要や家族信託と遺言・成年後見との比較や家族信託の活用事例、家族信託組成時の注意点等を学びました。

まず、家族信託の普及の背景について信託法の改正によりその取扱いが増えており、そのひとつに認知症リスク対策が挙げられることの説明を受けました。認知症になることで起こる問題対策として成年後見制度の活用があるが、認知症患者数に対して成年後見の普及が進んでいないのが現状であり、家族信託を活用して問題解決が図れるということについて解説を受けました。次に家族信託の概要についての解説および遺言・成年後見との比較やそれぞれのメリット、デメリット等を学びました。続いて、家族信託の活用事例を実際の相談事例をもとに紹介、解説を受けました。実務上の家族信託組成時の注意点として、遺留分を考慮する必要や税務上のリスクをカバーする必要、口座作成と不動産登記に支障のない信託契約書を作成する必要があることを確認しました。また非常に柔軟な設計ができることから、場合によっては信託監督人や受益代理人を設置する必要があることも確認しました。

第2部では、金沢公証人合同役場 公証人 澤田 正史氏から「家族信託契約書を公正証書で作成する際の留意点」について、説明を受けました。

最初に家族信託の実務機能等として、典型的な信託の意義および家族信託の実務的機能、任意後見契約や遺言との併用の必要性について説明を受け、家族信託・任意後見契約・遺言は互いに補完し合う関係にあることを学びました。次に公正証書による家族信託契約書の作成について、任意後見契約・遺言と相互に補完し合う機能を有することからその統一性、一貫性が必要であること。公正証書の作成が金融機関から一定の要請がある場合があることの説明を受けました。次に信託契約公正証書作成手続きの流れの説明を受け、その信託が詐害信託にならないよう委任者の財産調査、人物関係調査が必要であること、公正証書作成に必要な書類、作成手数料の算定について確認しました。続いて、家族信託契約において条文に記載する事項について参考事例を元に、信託の目的・信託財産・信託財産目録・追加信託・信託事務及び信託給付・受託者の注意義務・受託者・受益者・委託者の地位・信託の報酬・帳簿の作成、報告等・信託の変更・信託の終了・清算受託者・帰属権利者などの条項の記載例を確認しながら説明を受けました。

今回の研修会では、1部2部ともに家族信託の活用および信託契約条項について多くの質問がされていました。家族信託は委託者がどのような想いで財産を管理してほしいかをヒアリングし、委託者の想いや家族との関係性を踏まえた上で信託活用の提案または成年後見・任意後見・遺言を併用しながら、利害関係人の調整、円滑な信託手続きに行政書士が関与することが増えていくであろうと今回の研修を通して考えられました。

研修会資料は「会員の部屋」に掲載しております。
※当会会員の部屋ID・PASSが必要となります。
http://ishikawakai.com/Document/Details/48

広報・監察部 髙桑 雅俊

 


金沢市ものづくり会館

挨拶をする向井会長

(右から)向 智大会員 司法書士 藤井雄介先生

第1部 研修会の様子

金沢公証人合同役場 公証人 澤田正史氏

第2部 研修会の様子

研修会資料

お知らせ一覧へ

このページの先頭へ